概要
地震動の大きさを表す指標として、一般的に最大加速度*が用いられます。この加速度を用いて、以下の計測震度の計算方法を学びます。
震度階級 | 計 測 震 度 | 震度階級 | 計 測 震 度 |
---|---|---|---|
0 | 0.5未満 | 5弱 | 4.5以上5.0未満 |
1 | 0.5以上1.5未満 | 5強 | 5.0以上5.5未満 |
2 | 1.5以上2.5未満 | 6弱 | 5.5以上6.0未満 |
3 | 2.5以上3.5未満 | 6強 | 6.0以上6.5未満 |
4 | 3.5以上4.5未満 | 7 | 6.5以上 |
*構造物の損傷などは、最大加速度より最大速度に強く関係していることから、最大速度が用いられています
FFTの概要
- FFTとは、DFT(Discrete Fourier Transformation)離散フーリエ変換を求めるための高速なアルゴリズムです。
- 具体的には、時刻歴データ(左図)が存在する時、いくつかの正弦波(振幅、位相が異なる)を重ね合わせることでデータを分解できます。
No | 項目 | 記号 | 内容 | 例 |
1 | サンプリング周波数 | fs | サンプリング周波数 | 100HZ ※時間(s)の場合は、HZに直します 0.01(s) = 100HZ |
2 | サンプリング点数 | BL | FFTにおいて常にlog2の整数乗となります。入力データ数に近い整数乗にします。 具体的には、入力データをカットしたり、ZERO埋めしたりします) | 2^10 = 1024 データ |
3 | 周波数レンジ | fs | FFTで測定できる理論上の最大周波数を表します。 fn = fs / 2 | 24 kHzのサンプリングレートでは、理論上12 kHzまで測定できます。 |
4 | 周波数分解能 | df | 周波数分解能は2つの測定値間の周波数間隔を表します。 df = fs / BL | fs = 48 kHz 、BL = 1024の場合、48000 Hz / 1024 = 46.88 Hzとなります。/ BL |
震度の計算方法
FFT
時刻歴の加速度をFFTをかけて、周波数領域にします。
フィルター
3種類のフィルターをかけ、ノイズを取ります。
時刻例データに戻す
周波数領域から時刻歴の加速度に戻します。
3成分合成
加速度の3成分を合成します。
加速度のサーチ
加速度値 a 以上となる時間の合計を計算したとき、これがちょうど 0.3秒となるような a を求めます。
加速度の計測時間刻みをΔtとします。
①加速度を大きい順に並べかえます。
➁大きい方から数えて何番目か?を Int(0.3 / Δt)で求めます。
③図ではInt(0.3 / Δt)でΔtが0.1なので、3番目の加速度がaを満たします。